【八重垣神社】スサノオと稲田姫命【身隠し神事】

出雲の神様
こんにちは、はっさくです。

今回は八重垣神社に行ってきました。

良縁を願う、県内外の方たちが訪れるにぎやかな神社です。

ここには、スサノオと稲田姫命の伝説にちなんだ神事があります。

記紀神話の中のスサノオと稲田姫命を、はっさくなりの考察で紐解いていこうと思います。

身隠し神事

鏡の池
スサノオが八俣の大蛇やまたのおろちを退治して、稲田姫命をめとった神話にちなんだ神事。

大杉に姫を隠し、その周りに八重の垣を造り大蛇から守った話を

神事として行う。


5月3日  神社奥の「鏡の池」は、かつて飲用として使われていた。

その名残で、この水で炊いた御膳を供える。

分霊を神輿に移し、行列をつくり

「ヤイトウ、マイトウ」と言いながら、本殿周りから夫婦杉まで練り歩く。

夫婦杉前に分霊を安置し、八重の垣を巡らして終わる。


12月15日  還幸祭

神輿ではなく、御幣に分霊を移して、本殿に還御される。

記紀神話ヤマタノオロチ伝説

《伝説のあらすじ》

出雲の肥の川の上流に降り立ったスサノオは、泣いている老夫婦と娘に出会う。

老人は足名椎あしなづち、妻は手名椎てなづち、娘は稲田姫命。

老夫婦には八人の娘がいたが、毎年八俣の大蛇が一人ずつ娘を食べ、

今年、最後の娘も食べられてしまうと嘆く。


八俣の大蛇は、頭と尾が八つあり、目はほおずきのように赤く、

巨大な体に木が生え、長さは谷八つ山八つに及び、腹は血にただれていた。


「我は天から降りた神である。八俣の大蛇を成敗した暁には、稲田姫命を妻にしたい」

と、申し出る。

スサノオは、稲田姫命をくしに変え、自分の髪に挿し

強い酒の入った桶を八つ用意させた。


スサノオは、酒を飲み、酔いつぶれ寝てしまった八俣の大蛇を切り刻む。

こうして、二人は結婚し須賀すがの地に居を構えた。

伝説の裏読み

八俣の大蛇は何を表しているのか

諸説ありますが、はっさくなりの考察で歴史を紐解いていきます。


八俣の大蛇は、コシのヤマタノオロチとあることから、

稲田姫命を嫁取りしに、高志こし(北陸)から来ていた人がいたと考えます。

高志を拠点とした、出雲神族と呼ばれるクナトの大神お筆頭とする人達は、

スサノオより先に、北から出雲に入り根付いていました。

出雲と高志の関係は深いです。


高志の人と、スサノオの嫁取り合戦というわけです。

なぜ大蛇か

出雲神族と呼ばれる人々は、龍神信仰でした。

「八」という言葉は、たくさんという意味で、

スサノオは、たくさんの出雲神族に求婚されていた稲田姫命を、

妻にしたということでしょう。

稲田姫命はものすごい美人だったか、豪族の娘だったのではないでしょうか。

(羨ましいです笑)


この神話の結論として、

スサノオは出雲にいた高志の勢力を押さえつけたと考察します。

終わりに

この記紀神話を読むと、八俣の大蛇は悪という印象をうけます。

そこが、この伝説を広めた人々の策略ではなかったでしょうか。

歴代の出雲国造達や、神武一族のような、朝鮮系渡来人であるスサノオを善とし

崇めることで、自分たちの正当性を主張し、

出雲族を倒すことは、世の中にとって善であることが言いたかったと思われます。

記紀神話は、渡来人たちのプロパガンダだったのではないでしょうか。


八重垣神社意宇おう六社のうちの一社です。

旧称は、佐久佐神社  御祭神は、スサノオ、稲田姫命

島根県雲南市大東にある、須賀神社(スサノオと稲田姫命が住居にしたといわれる地)

から、後に遷座されています。


意宇六社は、熊野大社、眞名井神社、揖夜神社、六所神社、神魂神社とあり

すべて、出雲国造が関わっているお社です。


出雲国造はどんな神様を祀って、どんな気持ちで朝廷に仕え、

何を畏れていたのか

そんなことを想いながら、古代出雲の神社をお参りしてみてはいかがでしょうか。

遠い昔の人々が、近く感じられるでしょう。

神とよばれた人の紡いできた日本が、愛おしくなることでしょう。

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