【見られてはいけない】大国主命と出雲国造~謎多き「身逃げ神事」①~

出雲の神様
こんにちは、はっさくです。

今日もまた、出雲大社に参拝してきました。

出雲大社の「神迎神事かみむかえしんじ」は有名ですが、

「身逃げ神事」(神幸祭じんこうさい)はご存知でしょうか。

この、知れば知るほど謎に包まれていく神事を

はっさくと一緒に追っていきましょう!!

「身逃げ神事」ってどんなもの?

湊社
赤人社
塩掻島
この身逃げ神事は、お盆のころ行われる神事です。

神幸祭じんこうさいが本当の神事の名称で、身逃げ神事は通称です。


一日目  出雲大社の禰宜ねぎ(No.3)は斎館に籠もります。
     
     大国主命を身に降ろす為、外界との接触を避け
     忌火と呼ばれる火によって作った斎食を食べます。


二日目  夕方、稲佐の浜で海水につかります(穢れを祓う)。

     斎館に戻り、前日と同じことを続けます。


三日目  穢れを祓う儀式が終了し、神を降ろせる状態になります。


四日目  本番に歩くルートの下見(道見みちみ)を行います。

     出雲大社⇒湊社赤人社塩掻島


五日目  本番 深夜1時

     禰宜は狩衣姿(青竹のつえ、真こもで作った火縄とつと、素足に足半草履あしなかぞうり)
     
     塩掻島で翌日の神事のための塩を掻きます。


この神事、本番は誰にも見られてはいけない


見られてしまったら、最初からやり直しです。(穢れたとされる)

そのため、町内の人は早々に門戸を閉ざし外出はしません。

     最後に、国造家の祭壇と出雲大社本殿に拝礼します。

神事が行われている時、出雲国造は何をしているのか

神事は、出雲大社の禰宜が行っていますが、出雲国造はどこで何をしているのでしょうか。

出雲国造
神幸祭が始まるより前に、国造館を出ます。

そして一族の家に泊まります。(身逃げ)

帰館する前に、大広間を清め、大国主命を迎える準備をします。


さあここで疑問が浮び上がりました。

なぜ、出雲大社の主が神幸せず、逃げ隠れるのか?

ふたつの神幸祭の見え方

ここから、はっさくの考察に入ります。

この神事、ふたつの見え方をしています。


一つ目  国譲りの後も大国主命は生きていた

出雲神を崇拝していた出雲国造(大和から見れば裏切り者と書かれているほどの人物が)が、

大和勢に大国主命をなき者にさせるわけがないでしょう。

禰宜は大国主命のかわりに葬られた「そっくりさん」役で、

出雲国造(天穂日命)=大国主命と言われている(神の声を聞き伝える)ことから

逃げ隠れたのは大国主命である。

要は、出雲国造が大国主命をかくまったのでは

という見え方です。

出雲神話周辺では、「犠牲になった神が出雲神そっくりだった。」

「そっくりな人間が犠牲になった。」という話が存在します。


二つ目  出雲国造はスパイで大国主命は葬られた

出雲国造は、自らの手を汚すことを忌み嫌って

大国主命殺害を他人に奪わせ、自分は関わってないことを見せるために(アリバイ作り)

親類の家に隠れたという見え方。


皆さんは、どちらだと思いますか?

「身逃げ神事」が今まで続いている理由

ここではっさくは、あることに気づきました。


一つ目の大国主命生存説は、大和に対しては隠したいことであること。

二つ目の出雲国造スパイ説は、出雲の人たちに隠したいこと。

ならなぜ、この神事が今の世まで続いてきたのでしょうか。

隠したいなら、なかった事にして神事は残ってないはず。


あ、これは逆に考えるんだ!


一つ目の、大国主命は生きているアピールは出雲の人たちに

二つ目の、大国主命は葬られたアピールは大和に対して


はっさくは、この神事に二面性があることから、こう考えました。


出雲国造は、わざと神事が二面性をもって見えるようにしたのではないでしょうか。

出雲国造自身の保身のために


だから、神事として、出雲の人たちと大和に永遠に見せたかったと思います。

ずっと、崇められ、尊敬されるための工作です。

各々、出雲国造はやってやりました!ってアピールですね。

終わりに

この神事を書くにあたって、出雲大社の禰宜さんが歩くルートを順番に行ってきました。

これ結構、距離がありました。

みなさんが行かれるなら、車をおすすめします。

考察で書いたふたつの見え方のうち、どちらが真実かは

その当時の、出雲国造の心を読むことでしか、たどり着けません。


出雲の神社は繋がっていることが多々あります。

ひとつの神社だけでなく、色々な神社に参拝してみてほしいです。

新たな発見があって、面白いですよ。


出雲の土地を訪れられた際は、古代出雲に生きた人々の心に寄り添って

神々の息づかいを感じられてはいかがでしょうか。

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